フラット補正とダーク減算とシマシマノイズの関係について実験してみた。
先日からのastro60Dの感度ノイズと思われるシマ状のノイズの件について、自分なりに実験してみました。
過去記事
縞々ノイズが消えない
縞々ノイズが消えた
ど素人実験の為、鵜呑みはしないでくださいね~。へ~、そうなの~?という程度にしてください。
今回は推測や憶測ではなく実際にやってみた事実を載せています。ただ精度には問題あるかもしれまませんが。(それが問題か。)逆に理論などは頭がアレでわかりません^^;;
それから、私が無知なだけで、こんな事はあたりまえの話でわかっているよ。
あるいは、その考えじぇんじぇん違うよ。という方内容なのかもしれません。
★実験するにあたっての経緯 なんでこんなことやってみたのか?
・昨年11月に購入した冷却デジカメのAstro60Dで先日撮影したオリオンのあたりを処理してみると、感度ノイズと思われるシマシマのノイズが出た。同感度でのフラット処理をしたが消えなかった。
・以前に同感度でのフラットでシマシマノイズが消える事をネットで拝見させていただいており、手持ちのEOSKissX2,X4ではそのように処理して消えていた。以降自宅撮りでは光害カブリが満載で補正しまくりであり、フラット処理での周辺減光処理はあまり意味無く感じられたが、ゴミ除去、シマシマノイズ除去の意味で処理していた。
・昨年Astro60Dで撮影したM78~馬頭でも実は同様のノイズが出ていて悩んでいた。
今回は自分の処理がまずいのかと思い何度かやりなおしたが、結果は変わらず。
・後日、ダークフレーム、フラットフレームを再取得し再処理したところ縞々ノイズが消えた。
なんで消えたの~? という事で実験してみた次第です。
ちなみにシマシマノイズで・・・・と言っているのはこれです。
★実験内容
同感度フラットで消えるはずのシマシマノイズが消えたり、消えなかったりするのはなぜなのか?
という実験です。
内容は、フラット補正とダーク減算をいろいろ組み合わせて処理し、どの組み合わせでノイズが消えて、どの組み合わせで消えないのか。一応フラット処理しないものも参考に処理してあります。ダーク減算は、ライトフレーム(元画像)のダーク減算とフラットフレームのダーク減算を組み合わせています。
つまり、
1.フラット補正アリで、ライトフレームのダーク減算アリ、フラットフレームのダーク減算もアリ
2.フラット補正アリで、ライトフレームのダーク減算アリ、フラットフレームのダーク減算はナシ
3.フラット補正アリで、ライトフレームのダーク減算ナシ、フラットフレームのダーク減算はアリ
4.フラット補正アリで、ライトフレームのダーク減算ナシ、フラットフレームのダーク減算もナシ
5.フラット補正ナシで、ライトフレームのダーク減算アリ
6.フラット補正ナシで、ライトフレームのダーク減算もナシ
この6種類についてそれぞれ処理し、通常処理の画像とその強調処理画像作成し、ノイズの有無を調べました。
■準備
★ライトフレーム(元画像)データ
この元画像が酷すぎでした。結果が良くわからない原因だと思います^^;;;;
元画像 5分×8枚 総露出時間40分を使いました。
撮影年月日::2012年01月25日 F4.0 ISO1600
カメラCanon EOS 60D改(Central DS ASTRO60D) フィルター:kenko Zeta L41filter
鏡筒:Canon EF200mm F2.8L I USM 外気温度:マイナス18~21度 冷却温度 マイナス41度
★ライトフレームのダークフレーム
ダークフレームはライトフレームと同一条件(ISO1600,5分冷却温度マイナス39~41度)32枚を使用しています。
★フラットフレームとフラットダークフレーム
フラットフレームは同感度(ISO1600 F4.0)64枚と、フラットフレームのダークフレーム64枚を使っています。
1秒露光、EL発光パネルを使用(RGBはほぼ同一値、元画像と同一輝度ではない)で取得しています。
関係ないですが冷却温度もライトフレームと同じです。
★処理方法
ダーク減算、フラット補正処理はステライメージVer6.5を使用しています。
ベイヤー状態で各演算処理を行っています。
光害カブリを補正しないと真っ白で見えないため、しかたなくステライメージのカブリ補正にて画像の強調処理同様、手作業で補正しています。補正の基準は無く、各画像の見た目で補正しています。なので補正不足、バラツキがありますが、カブリ補正はポイント指定でやっていなく直線的補正をしているのでわざと良く見せたり悪く見せたりと言うことにはなっていません。もちろん周辺減光補正は行っていません。
その後デジタル現像し、レベルの切り詰めとカラーバランスをある程度あわせています。その後フォトショップCS5で読み込み、レベル中間値を65付近にだいたい合わせ、元画像のレベルを一杯に切り詰めた画像を作り比較画像を作成しました。尚、画像処理はトーンカーブ、マスク、ノイズ低減など一切していません。
さて、どの組み合わせでシマシマノイズが消えるのか?消えないのか?(全て拡大します。)
No.1
No.2
No.3
No.4
No.5
No.6
実験は以上です。
★実験結果
結果として・・・・・、どれもノイズだらけで良くわからないですね、すみません。。(^^;;;
1.フラット補正アリで、ライトフレームのダーク減算アリ、フラットフレームのダーク減算もアリ
は、縞々ノイズは見当たりません。
2.フラット補正アリで、ライトフレームのダーク減算アリ、フラットフレームのダーク減算はナシ
は、若干の縞々ノイズが見られるようです。
3.フラット補正アリで、ライトフレームのダーク減算ナシ、フラットフレームのダーク減算はアリ
は、明らかに縞々ノイズが見られます。
4.フラット補正アリで、ライトフレームのダーク減算ナシ、フラットフレームのダーク減算もナシ
は、縞々ノイズは見当たりません。(ん? 少しあるか?)
5.フラット補正ナシで、ライトフレームのダーク減算アリ
は、明らかに縞々ノイズが見られます。
6.フラット補正ナシで、ライトフレームのダーク減算もナシ
も、明らかに縞々ノイズが見られます。
1と4は、カブリ補正の違いがありますが、ほぼ同じ感じ。縞々ノイズとは別ですが、4の方がフラットの補正が少し過剰補正か?
2.3は3の方が明らか縞々ノイズが多いようです。3はフラット補正していないものと変わらないほどです。
5.6はカブリ補正の違いがありますが、ほぼ同じ感じだが、ダーク減算しない方がGに偏っていた感じがする。
★まとめ
今回の実験結果を見ると、縞々ノイズの件についてのみ考えた場合、
「同一感度のフラットフレームを使用し、ライトフレーム、フラットフレームどちらもダーク減算をするか、どちらもダーク減算はしない。」とすると縞々ノイズは消える。
「同感度フラットで処理しても、ライトフレームをダーク減算せずフラットフレームだけダーク減算するとほとんど消えない」
という結果となりました。
先日のオリオン、その前のM78~馬頭も、ライトフレームをダーク減算せず、フラットフレームのみダーク減算していました。なので縞々ノイズが消えなかったようです。つまり、3番で処理していたことになります。
冷却デジカメだし、かつ外気温も下がっており、ダークを撮って確認してみても、明らかノイズが少ないので、元画像からのダーク減算はしていませんでした。フラットフレームは短い時間で取得できるため、一応やっておくか、、とダーク減算していました。
先日の日記で思い当たる事があると言っていたのは、X2,X4では常にライトフレームからのダーク減算をしていて、astro60Dとの処理の違いは、ライトフレームからダークを引いているか、引いていないかの違いしか考えられなかったからです。
先日再処理した時は、ライトフレームのダークも取得し処理しました。なのでシマシマが消えたようです。
★副産物
また、この縞々ノイズ実験の副産物として、ダーク減算する、しない におけるフラット処理の周辺減光補正度合いの違いが見られました。
1は、全部やっていますが、左右周辺がちょっと合っていないものの、ほぼ均一のフラット処理が出来ています。
4も一見均一な感じですが、1と比べると明らか過剰補正の感じがします。
2と3は見てわかるように、2は過剰フラット、3はフラット不足となっていて興味深いです。
周辺減光補正具合を考慮すると、ライト、フラットライトのどちらもダーク引きは必須という結果になったと思います。
★考えられそうなこと・疑問点。
ここは、完全に推測、憶測、想像、妄想です。それこそ無視してください。
・この実験から、フラットはあくまでもライトフレームと同一のものを引けば良い。ということになろうかと思います。そう定義したとして、であれば今回の処理のように、ライトフレームのダーク枚数とフラットダークの枚数は統一した方が良いのか。今回はライトフレームのダークは32枚、フラットフレームのダークは64枚だ。
ライトフレームのダークが32枚なら、フラットフレームのダークも実は32枚にした方が良いのか。
・では、フラットフレーム(ライトフラット)自体はどうなのか。ライトフレームと同じ枚数の方が良いのか?
ダーク減算、フラットの除算はライトフレームに何かしらの劣化を招くのは今まで処理していてそう思うけど、同一のもの引くと考えた場合、実際どうなのだろう。フラット処理をせずに、ライトフレームのダーク減算だけをする場合、ダークフレームは沢山あったほうが良いのは今まで処理していて実際そのようだ。
だけどフラット処理をする場合はどうなのか。たとえば30枚のライトフレームに、30枚のフラットライトフレームを使い処理するのと、30枚のライトフレームに100枚のフラットライトフレームで処理するのとは?
今は劣化を少しでも少なくしようと、短時間で撮影できるフラットフレーム(ライト、ダークとも)はとにかく沢山(50~128枚とか)用意していた。
もし、ライトフレームと同一のモノでフラット処理するのが良い。とするなら、フラットのライトフレームもダークフレームも、ライトフレームの枚数と、ライトフレームのダーク枚数も全て同じにしたほうが実は良いのか。
また、これは感度ノイズと思われる縞々ノイズだけが"それ"で、他のノイズに関しては、タップリ枚数を入れたほうがやはり良いのか。
また、ダークの引き方で、周辺減光のフラットのバラツキが見られたが、この枚数とは関係はあるのか?
いままでのフラット処理では、全く同じ作業をしていて、バッチリ決まる時と、決まらない時があり、全く良く分からなかった。もし、このことに関係するとすれば・・・・。
とにかくこのような事をやってみる価値はありそうな気がする。
★最後に
この実験はあくまでも私の所有のCentral DS ASTRO60Dでの結果であり、他のカメラではどうなのかはわかりません。今時期とても寒い時期なので、夏場に同じかもわかりません。また、画像処理は各画像それぞれ一つずつ手作業で処理しているため、各々の画像処理にはムラがあり、出来栄えの比較はできません(処理方法はどれも一緒です)一番問題なのはカブリ補正をしている事で、補正具合によって周辺減光と混ざってしまい、見た目の出具合に整合性がない事です。どなたか光害の少ない良質なライトフレームでやって頂ければ、もっと分かりやすいと思います。
という事で、へ~、そうなんだ~。と思われた方は是非試されてみてください。
ではまた。
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